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T教諭に捧ぐ⑤

 ある年、「子ども達が、縦割り集団活動で、駅伝大会を計画しているんだけど。」と、児童会担当から相談がありました。T先生と私は、児童会の本気度を知るために、児童議会に同席させてもらいました。児童議会では、大会の意義や運営方法について、白熱した議論が交わされていました。下校時間をはるかに過ぎ、10月の7時は、あたりも真っ暗です。児童議会に出席している子の家族が迎えに来ても、子ども達の迫力に圧倒され、ただただ静かに外から眺めているだけでした。
 これで、子ども達がどれほど本気でこの行事をとらえているのかよく分かりました。T先生と私は、職員会議の提案文書を作るべく、河川敷公園までの行き帰りのコースを綿密に調査し、最も安全に移動できるルートを決めました。現地調査では、実際に走路の長さをメジャーで計測し、体育部としての案をとりまとめました。
 職員会議当日、予想通り、片道1時間はかかるであろう河川敷までの移動時間や、体育的行事としての運動量の少なさなどが問題となり、否決されようとしていました。そのとき、必死になって案をまとめようとしていた児童議会のメンバーの顔が、私の脳裏をよぎりました。「子ども達は本気です。どうして子ども達の気持ちに応えようとしないのですか。」涙ながらに訴えましたが、結論は変わりませんでした。
 その夜はなかなか寝つくことができず、寝返りを繰り返すばかりでしたが、2時半を過ぎたあたりだったと思います。突然、電話が鳴りました。「おう、やっぱり寝とらんか。俺も、今まで飲んでたんや。今日は、久しぶりに青春したのう。おもろかったやないかぁ。」いつもの、T先生の声です。この電話で、どれだけ救われたことか。明け方まで話し込み、でも、その日は、睡眠不足ながら、すっきりと出勤できたことを覚えています。
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